主人とその従者へ七題
お題配布元→jachin様
・伊達主従です
・二人はくっついててもくっついてなくてもok
・一応、上から順番につながっているつもりです
1.勝手にいなくならないでください
「片倉様!筆頭が…」
「あの人は、また…」
頭痛に胃痛はすでに持病。
かの人の本日通算21回目の脱走計画はどうやら無事に成功した模様。
「しょうがねぇ。探しに行ってくる。お前ら、後頼んだぞ」
2.あなたのことは全部知っています
「やはりこちらでしたか」
「なんでお前はいつも俺がどこにいるのかわかるんだよ」
何回でも抜け出してくださって結構。
何度だって俺はあなたを迎えに行きますから。
「あなたがどこに行くかくらい、この小十郎はすべてお見通しですよ」
3.その人に手を出したこと、後悔させてやる
「おにーさん、きれいな顔してるじゃないか。ちょっと俺たちと遊ばないか?」
「no thank youだ。あいにく、俺は男なんでね」
ちょっと目を放した隙に素行のよくなさそうな男たちに囲まれる主。
その人が美しいことは誰よりも俺が一番よく知っている、だが、気に食わない。
「おい、てめぇら…その人に汚え手で触るんじゃねぇよ」
4.守る気あるのか、お前
「申し訳、ありませんでしたぁっ」
「どうか、どうか命だけはお許しをぉっ」
道端に横一列、正座で整列。
ヤキを入れられたゴロツキたちは必死になって謝罪。
「おい、小十郎。俺にはいつも町で暴れるなって約束させるくせに、お前こそ…」
5.神懸かりな阿吽の呼吸
「Ah-, okay行くぜ、小十郎!」
「承知!」
帰りの途次で10数人の牢人にからまれた。
おそらく、先日壊滅させた佐竹あたりの残党だろう。
「Let's party!」
6.死んではいけない、死なせない
「これで終いか?」
「はい、そのようで」
ヒュッと一払いして血を吹き飛ばし鞘に収める。
政宗様に怪我がないことに満足して微笑むと、キッとにらまれた。
「何で笑ってるんだよ。俺に怪我がなくてもおまえが怪我をしていたら何の意味もねえだろうが!」
7.存在価値を問う
「政宗様。私はあなたを守ることが生きる意味なのです。ですから…」
「違うだろ、小十郎。俺が聞きたいのはそんな言葉じゃねえ。お前は俺を守るために生きてるんじゃねえだろう。そんなのは許さねえ」
存在を否定されたような衝撃を受ける。
忠誠を誓った日からずっと、俺はこの方を守るのだと心に決めて生きてきたのにこの人にとってこの覚悟は不要のものだったのだろうか。
「おまえは、俺を守るために生きてるんじゃなくて、俺と生きるために俺を守るんだろうが」
あなたこそが、この俺の生きる意味
BACK