Happy Christmas






甘い香りが、家中を満たしている。




「ねえ、母さん。これ、成功?」
「成功よー。男どもに『旨い』って言わせてやりましょうね」
「驚くかな?」
「うふふ…」



楽しそうに、先ほどからいのとアスカが話している。
その前には、おいしそうなケーキがある。
二人で、焼いたのだ。

今から、夜が待ち遠しい。
シカマルは、キョウは、モミジは、どんな顔をしてくれるだろうか?
多分、喜んでくれるだろう。
彼らが笑ってくれれば、きっと自分も嬉しい。
今夜は、幸せな気分に包まれながら眠ることができるだろう。



「さて、ケーキの準備はできたし、次はごちそうの準備をしよっか」



ケーキがうまくできたことを確認し、いのは立ち上がるとアスカに声をかける。


「うん!」


満面の笑みでうなずきながら、にこにこと自分の近くに寄ってくる愛娘を見て


(かわいいなぁ…)


と、そして


(やっぱり、男ばっかりだとむさくるしいし、女の子がいてよかったわ)


とも思うのだった。











「なあ、父さん」
「なんだ?」
「これ、母さんとアスカ、喜んでくれるかな?」
「どきどきする…」
「2人とも、気に入るんじゃねえ?おまえらのくれたもんなら、なんだって喜ぶさ」

先ほどまで、アカデミーで授業を受けている時とは比べ物にならないほど真剣な顔で母親と双子の姉に送るプレゼントを選んでいたキョウと、楽しそうにいろいろ見て、選んでいたモミジ。
お互いにあげるものだけは個人で選んだけれど、それ以外の家族にあげるものは連名で選んだのだ。
シカマルは、既に家族の分は用意してあるので、真剣な二人を、面白そうに眺めていただけであった。
ちなみに、いのとアスカは、料理とケーキがプレゼント代わりだ。
何を買ったのか、用意したのかは、お互いに知らない。
知っていれば、喜びは変わらずとも驚きがなくなってしまう。


「そうかなぁ」
モミジが、少し心配そうな顔をしている。
「喜んでくれなかったら、父さん、今嘘吐いたことになるから、父さんのせいにしちゃお」
「あ、そっかぁ!」
「うん。父さんが『喜んでくれる』って言ってたから、安心してたのに…って」
「キョウくん、頭いい!」

はたから見れば、とても微笑ましい兄弟だ。袋にはいった、いくつかのプレゼントを抱えている姿は、年相応に見えるし。
だが、その内容はといえば…


「オイ、ちょっと待て」


思わず、シカマルが突っ込みを入れる。

「何?」

別に、キョウもモミジも、シカマルのことが嫌いなわけではない。むしろ、大好きだ。だが、仕事で忙しい父親とこうやって出かけるのは、久しぶりだから少しはしゃいでいるだけだ。


(まったく…)


嬉しそうに自分を見上げてくる息子たちを見ていたら、文句を言う気も失せた。
シカマルだとて、今、いのと家にいるはずのアスカを含めて、子供たちはかわいいし、普段は忙しくてこういうチャンスが滅多にないのを申し訳なく思っているのだ。


「ほら、早く行こうよ」
「父さん、置いてくよ」


「ま、たまにはこういうのもいいな」



こういうとき、心から思う。


娘だけでなく、息子がいて、よかった。


何せ、女の買い物の長さを、経験上知っていたので、この気楽さが、なんとも言えず喜ばしいのだった。













「「ただいまー」」
「ただいま」
男たちが、出先から戻ってくるころには、家の中は、料理の香ばしい匂いに満ちていた。
「お帰りなさーい」
アスカが、いつもよりも心持弾んだ声で3人を出迎える。
「ご飯まで、もうちょっと待っててね。母さんと私で、がんばって作ってるから!」
アスカは、時々男より男らしいところがあるけれど、家事などは、ばっちりできる。料理のうでも、中々のものだ。
「あ、まだキッチンには入らないでね。びっくりさせたいから」
そう、忠告をして、アスカは、またキッチンにうきうきと戻っていったのだった。








「父さん、将棋やろ!」


手持ち無沙汰なシカマルに、キョウが誘いをかける。
「んー、いいけどよ、そうするとモミジが退屈なんじゃねえか?」
この場にいるのは3人。しかし、将棋は1対1で行うものだ。
「それとも、おまえら2人で組んでやるのか?」


「そっかぁ…あ!だったら、花札やろう?それだったら3人でできるよ!」


2人で組んでやるのもいいが、それぞれのスタイルというものがある。やっぱり、将棋は1対1がいい。
「花札?」
「うん!…ダメ?」
「いや、いいぜ。持って来いよ」
素直にうなずくと、モミジがとりにいった。
その間に、キョウは机の上を軽く片付け、場所を作った。
シカマルは、炬燵に入ってのんびりと準備が整うのを待つ。
一見のんびりとしているが、頭の中では仕事に関することをいろいろと考えている。



(あー…そういや、新年会には、テマリたちもくるんだったな。ってことは…俺たちは5日くらいまでは任務入れないほうがいいな。あの任務は、コテツさんとイズモさんにでも頼むかなぁ)

テマリたちとは、砂の里の代表と、火の国の代表(シカマルは火影補佐)として今でも交友が続いている。



「父さん、準備できたよ」
とりとめもないことを考えていると、札を配られた状態で、準備が整っていた。
「おう、じゃあ…誰からだ?」
「僕からでいい?」
「いいよ」

こうして、食事の用意が整うまでの時間、3人は花札を楽しんだのだった。
ちなみに、蛇足ではあるが花札はモミジの圧勝だった。












「父さん、キョウ、モミジ、ご飯だよ」
用意が整ったらしく、アスカが3人を呼びに来た。
「はーい」
「やった!」
ちらりと娘のほうを見れば、こらえてもこらえきれない、といった感じの笑みを口元に浮かべていた。
「サンキュ」
ぽんぽん、と娘の頭を軽くなで、シカマルは洗面所へと手を洗いに行った。






「うわぁ…」
「すごい…」

テーブルの上に、所狭しと並べられたご馳走に、キョウとモミジは、驚きに目を大きく開いている。

「すごいでしょ。がんばったのよ!」

アスカが、誇らしげに言う。

「どう?」

いのが、シカマルを少し見上げて聞くと、シカマルは軽くうなずいた。
「すげぇな」
その言葉に、満足げにいのは笑うと、子供たちを座らせた。
「ほら、早く座って。食べましょう?さめちゃうわ」

「「「はーい」」」

仲良く、3人声をそろえて返事をすると、席に着いた。

「じゃあ、お子様たちはジュースね」

そう言い、グラスにジュースをついでいく。

「シカマルは、こないだいただいたコレね」

そういい、取り出したのはビアンコという白ワインだ。

「あー、そういやそんなもんもあったなぁ」
「せっかくいただいたんだから、飲まないと」

シカマルは、めったに酒を飲まない。別に、下戸なわけでも酒乱なわけでもない。飲まない理由は、その時間がないということだ。
うまい酒は、好きだ。酒には結構強いほうだが、好んで飲むのは和酒だ。洋酒も、嫌いではないけれど。


「綱手様も、どうせなら和酒をくれりゃいいのにな」
「いいじゃないの。これも、おいしそうよ?」

そう、送り主は五代目火影、綱手だ。
『たまには、細君と一緒に酒でも飲みな』
と言って、コレをくれたのだ。
どうやら、彼女なりの気遣いであり、クリスマスプレゼントであるらしい。

栓をあけ、いのと自分のグラスに、ビアンコを注ぐ。

「用意はいーい?」

いのが、悪戯っぽく笑って他の人たちを見回す。
アスカが、楽しそうに微笑みながらうなずく。
キョウも、アスカと同じように微笑んでいる。
モミジは、わくわくを抑えきれないような顔だ。
シカマルは、いつもどおりの表情で、軽くうなずいて見せた。





「「「「「乾杯!!!」」」」」





グラスを、軽くぶつけ、それぞれ手にしたものを口に運ぶ。

「っはー!」

「ねえ、もう食べていい?」

「いただきまーす!」

子供たちが、口々に言うのに笑顔でうなずくと、一斉に料理に手を伸ばしだした。


「へぇ…」


シカマルは、初めて口にしたビアンコを、面白そうに眺めている。

「あら、美味しい」

いのも、一口飲んでから少し笑った。


「酸味が、心地いいな…。アルコール度数も結構低いし、いいんじゃねえか?」


シカマルは気に入ったらしく、またグラスに口をつける。

「綱手様、ベストチョイスね」
「ああ」




準備をするのにかかった時間の何分の一かの時間で料理を全てたいらげると、次はお待ちかねのケーキだ。

「じゃーん」

アスカが、楽しそうな顔で出したケーキは、“シュトーレン”だった。

「へぇ」

生クリームは、ついていない。どちらかといえば、パウンドケーキに近いような外見である。上には粉砂糖がたっぷりかけてあり、雪をまぶしたかのようである。
少し大きめなソレは、日持ちがするため、少しずつ、食べていくのだ。むしろ、出来立てよりも少し日を置いたほうが味がなじんで、美味い。


「おいしそう!」
「これ、アスカと母さんが焼いたんだよね?すごいなぁ…」


キョウとモミジは、目を輝かせている。


「今、切るからちょっと待ってね」


アスカが、それを薄く切り分ける。薄く切ったソレを、1人2切れずつ、皿の上に載せていく。
その間に、いのが紅茶を入れる。


いのが紅茶を全員の前に並べるころには、ケーキもきちんと配られ、あとはいのが座るのを待つだけ、という状態になっていた。
「「「「「いただきます」」」」」
いのが座るのを見届けると、みんなで手を合わせて、ケーキを食べだした。

「へえ、美味いな」
シカマルが、一口食べてそう言うと、他の男2人もうなずく。
「へへ…」
素直な賛辞に、アスカが照れくさそうに笑う。
「ケーキは、アスカがほとんど作ってくれたのよ」
いのがそう言うと、シカマルがアスカに少し笑って言った。
「腕を上げたな」
大好きな父親からのほめ言葉に、アスカは少し頬を染めて笑った。
「ん〜、美味し〜い」
モミジが、幸せそうにケーキをほおばる。
その顔を見て、アスカとキョウは顔を見合わせて笑った。
「平和ねぇ…」
いのが、しみじみとつぶやく。
確かに、そうだ。

「そうだな」
「あれから…もう、10年以上もたつのよね」
「ああ…早いもんだ」
「月日の流れって、偉大よねぇ」
「そして、残酷だな」
「まあね」




具体的なことは言わないが、お互いになんのことかは、分っている。
あのことを、口にするものはほとんどいない。それは、一種のタブーであるかのように、みな口をつぐむのだ。木ノ葉の里の、疎ましい過去だ。

それは、サスケの里抜け。
里を抜け、仲間を振り切り、三代目火影の教え子でありながら里を裏切った、才能を持ちながら、狂気へ走った大蛇丸の元へ行った。

すべては、幼いころからの怨恨、兄への復讐のために…。




10余年も前のあの日、今のように皆と笑い会うサスケの姿を見れることを、誰が予想しただろう?
胸を張ってサスケが戻ってくると信じていた、と言えるのは、シカマルの知る限りたった1人だ。
そして、それは彼のとても大事にしている妻ではなく…。


「ナルトは、強ぇよな…」



サスケを連れ戻すことは、中忍としての、初めての任務だった。
結局、失敗したばかりか仲間を死の淵へと追いやってしまった自分の不甲斐なさと無力を、どれほど悔やんだことだろう。
奇跡的に、仲間は全員生きていてくれたけれど、その任務は、シカマルに大きな後悔と強い決意を与えた。





即ち、強くなりたい、と。





サスケのように、復讐のための力を欲したのではない。
シカマルが欲したのは、仲間を守るための力だ。
その差は、限りなく大きい。

今、何事もなかったかのように暮らすサスケを見ていると、これでいいのか、という気持ちになる。
里を1度裏切ったやつが、こんなところでのうのうと暮らしていいのか、と。
だが、そう思うのは親友をあの任務のせいで失いかけたという私怨も絡んでいて。
もしも、彼が死んでいたら、自分は己の持てる力と頭脳を総動員させ、誰が泣く羽目になろうとも、誰を傷つける羽目になろうとも…己が、傷つく羽目になろうとも、サスケを亡き者にしただろう。





「シカマル?」
声をかけられて、はっとした。
どうやら、己の思考の渦に巻き込まれていたらしい。
集中力が有りすぎるため、己の思考にはまりこむと、周りのことを遮断してしまうのは、悪い癖だ。
「悪い…」
「いいのよ。それより、クリスマスプレゼントは、ないの?」
シカマルが何を考えていたのかをなんとなく察したいのは、違う話題を提供してやる。
「ああ、そうだな」
立ち上がり、すでに居間に行っている子供たちと、今、傍らにいる妻のためのクリスマスプレゼントを、とりに行ったのだった。




「あ、父さんだ」
「遅いよ」
「早く、早く」

プレゼントを持って居間へ行くと、すでに、子供たちが待ち構えていた。
3対の、気体に満ちた目に見つめられ、シカマルは思わず回れ右をしそうになった。
正直、期待されるのは苦手だ。期待が外れた時の失望の表情を見るのが、怖いから。


「私も楽しみだわ」


が、後ろに立つ妻の声に、シカマルは諦めて座った。
後のことを考えると、逃げ出すわけには、いかなかった。


「はい、父さん。これ、僕とキョウくんから」

モミジが、にっこりと笑いながら今日購入した包みを差し出す。

「サンキュ」

少し笑って頭を軽くなでてやると、モミジは嬉しそうな顔をした。
奈良家の3兄弟は、父親には弱いのだ。とても、尊敬していて、大好きなのである。もちろん、母親のことも大好きだけど。
「あけていいか?」
確認すると、こくりとうなずく。
「モミジ、可愛い!」
アスカが、モミジをぎゅっと抱きしめると、キョウも
「う〜ん、素直だなぁ」
と、頭をなでなでとする。
「ちょ、アスカちゃん、キョウくん」
いきなりのことに驚くと、満面の笑みの姉兄が目に入り、まあ、いいか…という気分になってしまった。
双子の姉兄が弟に甘いように、弟も、また双子の姉兄には甘いのだった。


「へぇ」


包みを開けたシカマルが、思わず声を漏らす。

「どう?」

ドキドキしながらたずねると、シカマルが滅多にない全開の笑みで言った。


「ありがとな。大事に、使うよ」


その手に握られているのは、白っぽい編み紐だった。
髪の毛を解くと、軽く指で梳いてから手早くまとめ、もらったばかりの編み紐でくくる。

「どうだ?」

たずねると、アスカが
「似合う!」
と、手放しでほめる。
キョウとモミジも、気に入ってもらえたということと彼に、とてもよく似合うということに安心し、ほっとしたような顔で笑うのだった。

「いのとアスカは、何もらったんだ?」

たずねると、二人とも嬉しそうにもらったばかりのものを差し出す。

「私は、コロンもらったのよ。柑橘系の香り。ほら、ビンも可愛いでしょ?」

アスカが見せたのは、小さなかわいらしいビンだった。
任務の時はつけるわけにはいかないけれど、休みの日に、ちょっとおしゃれをするのにはいいかもしれない。甘すぎないさっぱりとした香りが、彼女にとてもよく合っていた。

「よかったな。おまえに、この香りはぴったりだぜ」

シカマルがそう言ってやると、アスカは満面の笑みを見せた。
「母さんも、さっきそう言ってくれたのよ」
「そうか」
「うん。すごく、嬉しい。キョウ、モミジ、ありがとう」
そして、また弟たちに礼を言う。
「私はね、コレをもらったのよ」
いのがシカマルに見せたのは、暖かそうな暖色のマフラー。
「色が、いいな」
暖かそうな明るいこの色は、きっと、いのにとても似合うだろう。
「あったかそうよね。今度、出かける時に使わせてもらうね」
そう言って、にっこりと優しく笑ってみせる。


息子たちのプレゼントの披露が終わった後、シカマルが口を開いた。

「じゃあ、次はオレからだな。ほら、アスカ、キョウ、モミジ」


名前を呼ぶと、次々に小さな皮袋を投げてゆく。

「わ」
「え」
「ちょ」

不意打ちにより、三者三様に驚きの声を短く上げたあと、ソレをじっと眺める。


「クリスマスプレゼントだ。あけてみろ」


3人が口を開く前に、シカマルが先を制して言った。
「で、いのはこれな」
隣に座った妻に、子供たちのものとは形の異なる皮袋を渡した。


「うわぁ…」
「え?」
「キレイ」

皮袋を開けると、そこにはシンプルなデザインの細身のブレスレットが入っていた。
シルバーのなんのかざりもない輪に、小さな石がはめ込まれたデザインだ。

「これは…?」

装飾品に、キョウが戸惑ったようにシカマルにたずねる。



「おまえら、前にオレたちのピアスうらやましがってただろ。だけど、まだピアスは早いだろうが。だから、それでガマンしとけ」



確かに、以前、シカマルとチョウジといのがおそろいのピアスをつけているのをうらやましがり、自分たちもおそろいのピアスをつけたいと言ったことがあっった。
が、そのときに駄目だと言われて以来、1度も言ったことはなかったのに。なのに、そんなことを覚えていてくれていたのだろうか。

「アスカは紅、キョウは蒼、モミジは翠の石だ。ソレなら、邪魔にはならない」

邪魔にならないよう、腕にぴったりなソレは、おそらくシカマルのデザインだろう。
無駄な部分が一切ないのは、シカマルらしい。

「ありがとう」
「すごく、嬉しい」
「大事にするね」

口々に、礼を言う。そして早速、各々腕につけてみる。
男女どちらでも使えるデザインだ。3人とも、よく似合っている。
落ち着いた色の石は、とても美しかった。

「この石、どこで手に入れたの?」

アスカが気になってたずねた。こんな色の石、売られているのを見たことも、誰かが着けているのも見たことがない。

「あ?ああ、それな。前に土の国に行ったときに、ちょっとな」
「へー…」

うっとりと、嬉しそうにブレスレットを眺めるアスカは、やはり女の子だ。

「母さんのは、なんだったの?」

自分たちのものとは違う形のものをもらっていた母親に、キョウが尋ねる。
「僕も、知りたい」
モミジも、興味を惹かれたらしく、たずねるといのは少し笑って、見せた。


「ほら、髪留めよ。玻璃(はり)細工。キレイでしょう?」


そう言って、いのが手に取ると、部屋の明かりに少し反射した。

「うわぁ…」

「今年は、装飾品で攻めてみようかと」

シカマルは、毎年全員に同じようなものを贈る。
本人曰く
「いちいち違うものを考えるのが面倒くせえ」
ということなのだが、一人一人のものにかかっている手間やなんかを考えると、普通のものを適当に買ったほうが楽なのだが…。

嬉しそうにしている大切な家族たちを見て、シカマルは満足そうにため息を吐いた。










明日からは、また、いろいろと仕事で忙しくなるけれど。
でも、今だけは、仕事など…血なまぐさいことなど忘れ、ただ、大切な人たちと過ごす喜びを感じたい。



カミサマなんて信じちゃいないけど、でも、この聖なる日は、仕事をサボるいい口実。
こうやって、家族と楽しく過ごせるのなら、クリスマスも悪くはない。
信じちゃいないけど、少し、アンタに感謝をささげてやるよ。



カミサマ、ありがとう。





Merry Christmas










えーっと、クリスマスということで、久しぶりに奈良一家を書いてみました。
シカクさんたちを出そうかとも思ったのですが、そうするとギャグになる上、収拾がつかなくなるので断念。でも、いつか彼らのジジ馬鹿話を書きたいです。

ちなみに、シュトーレンとビアンコのところは、適当です。なので、間違いがあっても気にしないでください。特に、ビアンコのほうは、私がお酒を飲まないので、全然わからずに書いたものです。

まあ、なんとか25日のうちにUPできてよかった…と安心しております。




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